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自社の付加価値を提案できる会社になるためには(中小企業の下請け体質脱出 3)

2020.06.18

こんにちは。
高崎ものづくり技術研究所の濱田です。
当研究所は、中小製造業の現場ですぐ使える品質管理、生産管理、組織・人材管理ツールなどを紹介しています。
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中小製造業にとってのセールス・ポイントとして「短納期」「高品質」「小ロット生産」などをアピール点としていますが、競合他社との“違い”をなかなか明確に打ち出すことができません。「他社が3日かかるところを、当社は1日で出来ます!」と自社のうたい文句を言ったところで、取引先からすると、それは皆同じであって、「実際に作ってみないと分からない」というのが本音のところです。

それよりも受注予定の部品は、どのような用途に使用されるのか、どこに組み込まれるのかを知ることです。これは、受注品をどのような観点で、何を重要管理項目として作るのかをよく理解してから製造に入ることが重要だからです。要求事項を知ることによって、そこから付加価値のある提案が生まれてくるのです。

その際に、自社の「得意技」は何かをよく認識しておくことが重要です。他社との違いは何か、何が優れているのかを経営者をはじめ社員全員が認識し、将来にわたって育み、それを基本とする提案を行って取引先にアピールすることです。

発注側企業では、いままで継続取引を行ってきた業者への発注は多少コストが高かろうが、納期に不満があろうが、大きな落ち度がない限り、業者を変えようとは思わないのが普通です。暗黙知が通じるので、発注側はリスクを回避できます。
新しい業者に依頼をしようとすると、一から「要求事項」を漏らさず説明しなくてはならず、そんな余計な仕事は、できるだけ避けたいのが、担当者の本音です。

既存の業者から、わが社に切り替え、新規発注を行ってもらうためには、他社との明確な違いを示し、付加価値ある提案を行わなければならない、つまり発注側企業に対して「提案のできる会社」であることをアピールしていく必要があり、社長以下全員が受け身の「下請け体質」の考え方、行動を改めていく必要があるのです。

それには、まず今取引を行っている既存の取引先との関係はどうなっているのか、改めて見直してみることが必要になります。既存の取引先に対して、技術力で取引先の片腕になり、自社の専門分野における相談相手となることです。つまり今まで専門分野として積み上げてきた加工のノウハウ、付加価値を提供することです。

そのことによって、一度信頼関係を結べば長期にわたって取引を継続させることが可能となり、そこで技術力・提案力を身に付け、受け身体質から脱することが可能となります。それには
 ・納品時のキーマンとの面会、情報収集・・・納品部門、営業部門
 ・受注ロットの予測ととりまとめ・・・営業部門
 ・見積り根拠と価格交渉・・・営業部門、業務部門
 ・製法、工法の改善提案・・・製造技術部門
 ・品質基準の見直し提案・・・品質保証部門
など、具体的な項目を、全社を挙げて積極的におこなっていくことです。

つまり、新たな顧客や市場を開拓するには、まず既存の顧客を大事にし、営業や技術、品質の面で、実力を磨き「付加価値の提案ができる会社」に成長させるところから始めることが重要であると考えられます。

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