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成長する組織、成長しない組織(中小企業の下請け体質脱出 1)

2020.06.17

マネジメント階層

こんにちは。
高崎ものづくり技術研究所の濱田です。
当研究所は、中小製造業の現場ですぐ使える品質管理、生産管理、組織・人材管理ツールなどを紹介しています。
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成長する組織は良い暗黙のルールを形成しています。また明文化されたルールが活用され組織の成長を加速するPDCAのサイクルがうまく回っています。一方で、成長しない組織では、人材の育成や固有技術を社内で育てようとせず、外部から安易に取り入れようとします。

1.成長しない組織
中小企業の経営者は「良い人材が育たない」「良い人材が見つからない」などと、会社の発展をスーパーマンに頼ってしまいます。そう思っても、人材は育たないし見つからない、すぐ辞めて行ってしまうので、また募集するといった悪循環が続いているのです。

そして、その会社はいつまでたっても成長できません。会社を成長させるには、外部から人材を補強するのではなく、優れた組織構造を作る必要があります。そしてその条件とは、「役割と責任」がはっきりしている組織のことです。つまり、それぞれの部署ごとに業務の役割と責任を果たし、不備な点があればそれを修正していくことです。

そうすると、「うちのような小さな会社は、役割を決めてしまうと仕事にならない。全員がマルチで仕事をしなければ回らないよ!」という声が聞こえてきます。しかし、「役割と責任」を明確にする事と、マルチで仕事をすることとは意味合いが異なります。多くの経営者がこのことに気がついていません。

人材が不足する中小企業の場合、当然全員が助け合って仕事をしなければならないのですが、それとは別に組織の責任範囲、指揮命令系統はしっかりと決めておく必要があります。なぜなら、そのことは問題が発生した場合に原因追究と対策の責任部署が明確になり、構成メンバーのレベルアップと組織力強化、技術力強化につながっていくからです。責任の所在を明らかにしない仲良しクラブでは、組織の成長はあり得ません。

2.学習し成長する組織
組織の目的は、業務目標、計画、実行、評価のPDCAを通して成長を図っていくこと、つまり一人の力では達成できないことを組織力によって達成させることです。現在好況だから、うまくいっているからといっても、5年後、10年後には好況である保証はありません。成長し続ける組織が、5年後、10年後の企業の生き残りのために絶対に必要なことだと考えるべきです。

失敗してもそれは個人の責任だけでなく、それを防げなかった組織の責任と捉え改善し、しくみ化していくことが重要で、その積み重ねが組織力強化につながります。役割をうまく果たせなかった部署は、なぜ果たせなかったのか、原因を究明して対策しなければなりません。この時、個人の責任にするのではなく、部署内役割と責任は何かを考え、運用上の不備を指摘しルールの修正を行います。
 ・顧客とのコミュニケーション不足で情報のやり取りがうまくいかず、失注した
 ・顧客からの注文で、納期を間違って工場へ指示を出してしまった 

日常よくありがちなこのような問題は、とかくヒューマンエラーとしてその人に注意して済ませてしまいますが、部署の役割として何が不足していたのか、ルールのどこが不備だったのかを、原因究明と再発防止対策を講ずる必要があるのです。

そのことによって、ルールがより明確になり、この繰り返しによって、業務がうまく進むようになり、製品やサービスの品質も良くなるのです。そこで、組織は一段階成長したことが実感できます。

このようなサイクルが回る組織の活動を品質管理活動と言います。製品、サービスの品質が良いのは、組織の品質が良いからです。組織の品質が悪ければ、製品、サービスの品質も当然悪くなります。

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