なぜなぜ分析は役に立たない?品質管理 の落とし穴
頭の中で、なぜ・なぜと考えるだけでは、「なぜなぜ分析」とは言いません。それは、今まで経験したこと
得た知識などが次々と無秩序に頭に浮かんできているだけだからです。従って、それを書き表したからと
言って、そこから論理的な結論は決して得られません。
ロジカルシンキングとは、物事を体系的に整理して筋道を立て、矛盾なく考える思考法のことで「論理的思考」と
訳され、そのためによく知られたロジックツリーを使うとされています。品質管理の手法では、特性要因図、
故障の木解析(FTA)が該当します。
なぜなぜ分析とは一般的に「5つのなぜを繰り返すこと」と言われています。
これは、トヨタ副社長であった大野耐一氏が、機械が故障で停止した原因の調査が甘く、故障が繰り返し発生
するため「もっと深く原因を追究しなさい」という意味で「なぜを5回繰り返せ」と部下に指導したとされています。
これは、ロジカルシンキングとは異なり、大野氏が独自に考えた現場指導の方法で、なぜなぜを繰り返し、「因果
関係」「真の原因」を突き止め、二度と同じ問題が発生しないようにすることがだいじであると説いています。
上記を踏まえて、工場で発生した不良やトラブルを、
正しい品質管理の手法を用いて、論理的に対策するには
どうすれば良いでしょうか?
第一章 なぜなぜ分析がうまくいかない理由
第二章 なぜなぜ分析の論理的展開
第三章 正しいクレーム対策書の書き方
【キーワード解説】
★なぜなぜ分析3つのパターン【1】 ★なぜなぜ分析の事例(読者の質問)【1】【2】 ★トヨタ式なぜなぜ5回のルーツ【1】 ★なぜなぜ分析がうまくいかない理由【1】 ★慢性不良対策事例【1】 ★2段階(5M/3P)なぜなぜ分析法【1】 ★4M5E分析法【1】 ★現場のカイゼンの意味とは【1】 ★正しいクレーム対策書・報告書の書き方【1】【2】
キーワード解説:2段階で行うなぜなぜ分析の進め方なぜなぜ分析のルーツは、「トヨタ生産方式」の著書でおなじみの大野耐一氏が
当時のトヨタの工場で、設備が故障したときに技術者に原因の調査が甘く、復旧
できないので、「なぜを5回繰り返せば、真の原因が突き止められる」と教えた
ことが、始まりです。
ここでいう原因とは、機械が止まった因果関係の解明のことを指しています。
つまり、機械が止まった原因はフィルターがついておらず、潤滑油の中に切粉が
入り、軸が摩耗したというのが原因です。
しかし、このなぜなぜ分析では、品質管理の不備の原因は究明できません。
機械の点検、保守のルールは? 日常点検のルールは?というように、4M(5M)
管理のルールの不備や欠陥を指摘し、再発防止を図る必要があります。
また、なぜなぜを繰り返すには、ロジカルシンキングのルールに従って行う必要
があります。
当研究所では、2段階(5M/3P)なぜなぜ分析法により、上記の問題を解決する
手法を開発しました。これによって、物理的な因果関係の究明と、品質管理の
しくみの不備を指摘し、再発防止につなげるよう、フォーマット化を行っています。