2019.08.01
4M変更管理に関して、情報検索を行っているものづくり企業の方の目的はどこにあるのでしょうか?
しかし、ネットや書籍などではあまり深く解説がされていない分野であり、実際に実務で、どのように運用していけば良いか悩んでいる工場のの管理者も多いことと思います。
なぜ解説が少ないのか?品質管理の技法は、様々ありますが、それらは戦後、アメリカやヨーロッパから理論体系が輸入され、学者によって翻訳され、製造業に広く使われるようになりました。
TQM、TQC、QCストーリー、最近ではISO9000,TS9000などがあります。しかし、現場の実務に密着した4M変更管理に関しては、学者よりもむしろ企業で経験を積んだ実務家が研究を行う分野であると思われ、それゆえ体系化が困難となっているものと推測しています。
しかしながら、多品種少量、最近では変種変量生産を強いられている中小製造業にとっては、いかに効率よく、トラブルを起こさずに製造現場の管理を行っていくかは、重要なテーマとなっています。
当研究所が考える4M管理の中心となる実務手法は、日常業務において、突発的に発生する「異常」の管理と、あらかじめ予期できる変化を捉えてトラブルを予防する「先手管理」です。日常業務において、この2つのことを押さえておくことで、品質は格段に上がると考えています。
そこで当研究所では、4M管理の体系化を試み、本解説書をまとめました。不十分な点はあるかと思いますが、読者の皆様のご意見を頂きながら、今後も充実化を図って行きたいと考えております。
目次
はじめに
先手管理とは?
重点管理とは?
日常業務の基本ルールとは?
1.4M変更管理とは
2.4M変更管理の位置づけ
3.4Mの要因を規定する工程設計
3.1 QC工程表の目的
3.2 QC工程表の作成方法、内容
3.3 4M変更管理におけるQC工程表の位置づけ
4.体系的4M変更管理
4.1 4M変更管理対象の定義
4.2 変化点の洗い出し
4.3 ランク付け
4.4 設計変更・工程変更の管理
4.5 初期流動管理
4.6 新規立ち上げ管理
4.7 日常変更管理
<事例紹介>
4.8 重点管理と先手管理で不良を作らない、出さない
4.9 変化点の見える化
4.10 評価とフィードバック
5.統計的解析手法による変化点の捉え方
5.1 層別とサンプリング
5.2 ばらつきとは
5.3 工程能力把握とばらつき管理
5.4 管理図の作成
5.5 管理図による異常検出
6.ヒューマンエラーと日常管理
6.1 ヒューマンエラーの分類
6.2 行動影響要因の原因と対策
7.協力工場の4M変更管理
7.1 協力工場品質管理の問題点
7.2 協力工場との取り決め
7.3 協力工場の評価と格付け
<事例紹介>
8.多品種少量生産の4M変更管理
8.1 共通化について
8.2 標準化について
8.3 生産の平準化、生産性向上策(ジャストインタイム)
<事例紹介>
8.4 生産スケジュール管理
8.5 多能工化について
<事例紹介>
8.6 中間管理層(現場監督層)の育成
9.トレーサビリティー管理
9.1 トレーサビリティー管理の目的
9.2 ものの流れの整理
9.3 識別単位の定義
9.4 識別記号を付与する
9.5 分別管理
9.6 川上~川下工程との関連づけ
9.7 内部トレーサビリティーの確保
9.8 識別記号の付与方法
9.9 情報の記録・伝達媒体
10.特殊工程管理
10.1 特殊工程とは