2019.06.14
品質不良ゼロ達成の設計手法
従来、日本の品質管理の考え方は、小さなカイゼンを繰り返すボトムアップ活動で優れた製品を生み出して顧客満足を得てきました。その製造工程のカイゼンと同様に、設計工程においても、問題が発生すると小カイゼンを繰り返し、不良を外に流出させないという流出防止の考え方が基本になっています。
自動車産業向け品質マネジメントシステム規格であるIATF16949(ISO/TS16949)では、不具合発生前にリスクを削減、低減させるため、潜在的故障モードの想定妥当性確認などを実施し、市場クレームなどを減少させていく仕組みの構築を求めています。これは、自動車のみならず、あらゆる製品の設計に共通した課題であると考えられます。
設計品質作り込みのための重要なポイントは以下の5項目であり低価格で、タイムリーに顧客の要求に応える付加価値の高い設計の製品をアウトプットすることにあります。
①顧客の要求事項を確実に設計にインプットさせる
②市場あるいは顧客の暗黙の要求事項、法的な制約を確実に設計にインプットさせる
③顧客のあらゆる使用環境を考慮した製品をアウトプットする
④顧客のあらゆる使用方法を考慮した設計の製品をアウトプットする
⑤部品ばらつき、製造ばらつきを考慮し、製造しやすい設計結果をアウトプットする
<記事>
★FMEA解析とリスク評価
★故障モードの蓄積と想定外の事故の予測
★査定(assessment)による設計手法で品質改善
★想定外の市場トラブルはなぜ発生するのか?
★評価テスト依存の設計ではミスは減らない
★設計ミス再発防止対策手順とは?
★設計ミスと自動車の市場トラブル(リコール)の現状
★設計ミス防止 品質不良ゼロ達成