工場の生産性を阻害しているムダはたくさんあると、誰もが認識しているはず
です。
しかし、どのようなムダをなくせば効果が上がるのか?またそのムダをどの
ようになくせばいいのか、わかっていない場合が多いのではないでしょうか?
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例えば、「在庫のムダをなくせ」と一口に言っても、
在庫がなぜ無くならないのか、そのメカニズムがわかっていないと無くなり
ません。また、材料の在庫、仕掛在庫、完成品在庫など、そのうちどの在庫
をなくせば最も効果が大きいのか?工場全体で考えなければ答は出ません。
「在庫は悪」とわかっていても、それぞれ理由があって在庫を持っている
あるいは、自然と在庫が溜まってしまい、結果としてリードタイムが長く
なります。
受注生産で、しかも多品種少量生産ではネック工程に注目して生産計画を
立て在庫が溜まらないように、リードタイムを最短にする生産を行います。
そのためには、現場の改善だけでなく、生産計画の改善が必要になってきます。
また、付加価値を生まない作業が生産性を阻害する要因となっています。
付加価値を生まない作業は「間接作業」「準備作業」に分類されます。
一方、「作業のムダ」「管理のしくみの不備によるムダ」に分類する方法も
あります。
更に、加工品は材料から加工組立に至る過程で、すべて良品とはなりません。
「良品」以外の「修理品」「試打ち品」「不良品」「加工端材」などのムダ
を削減する必要があります。
工場の管理層は、付加価値を生む作業(時間)と、付加価値を生まない作業
(時間)を対比させ、ムダの実態を見える化します。
そうすることによって、どのムダをどれだけ改善すればいいのか目標が明確に
なります。そのことによって、改善活動の方向性が決定するのです。
改善活動が沈滞しているのは、工場のムダの実態が明確になっていない、そして
生産性をどこまで高めるのか目標が明確になっていないの2つの理由からです。
生産性アップ30%、不良半減などのお題目だけでは、改善活動は進みません。
(続く)